つむじ風食堂再訪

 つむじ風食堂の夜を面白く読んだばかりの僕には、一度訪ねたことのある月舟町のつむじ風食堂を再訪するよう楽しさもあり、また、この小説の舞台装置を前回とは違う視点で眺める面白さも感じられたけれど、この本で初めて月舟町を訪れる若い読者は、どう感じるだろうか? 語り手の言う通り、「途中」から始まり「途中」で終わるこの物語に、若い読者は戸惑いと物足りなさを感じるかもしれない。この物語をきっかけに、月舟町を再訪してみようという読者が多ければいいのだけれど…