菱田春草を観る

 そごう美術館で開催中の「日本画の革新者たち展」を観てきた。今までは日本画にしても洋画にしても、日本の絵画にはあまり関心がなかったのだが、最近は日本人の作品に触れる機会が増えるに従って、興味関心も膨らんできた。興味が湧いてくると、すぐにその方面の本に手が伸びる。今回は手元にあった、岩波ジュニア新書の『絵を描くこころ』の「日本画の新しい理想―菱田春草横山大観」の章を読んでから出かけた。「朦朧派」「無線描法」「日本美術院」などという用語を予備知識として持っていると、実際に展覧会場へ行ったときにそれらを手掛かりにすっと作品世界に近づける気がする。
 会場ではたくさんの魅力的な作品と出会うことができたが、やはり一番長い時間絵の前を離れられなかったのは菱田春草の「落葉」。それから川端龍子の「花下行人」も印象に残っている。