学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
- 作者: 坪田信貴
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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普段から本を読まない生徒たちにぜひ勧めようと思っている。
まず、ストーリーが面白い。ハッピーエンドなのはわかっていながら、いよいよ受験、という場面はぐぐっと引き込まれる。そして、最後はちょっとほろっとさせられる。よき指導者と出会った主人公さやかちゃんが劇的に成長するとともに、家族間の亀裂も修復され、互いの絆が深まっていくという、なかなか味わい深く、後味の良いお話なのである。
それから、ちりばめられたギャグが、笑わせてくれる。いや、ギャグではなく、主人公さやかちゃんのあまりの無知が生み出す珍答が、ぶっ飛んじゃっているわけなのだが、坪田先生とさやかちゃんのやり取りは、もう立派な漫才のネタなのだ。
そんなわけで、この本は誰でも飽きることなく、最後まで一気に読んでしまうだろう。(英語や小論文の勉強法のあたりは、とてもいいことが書いてあるのだが、もし興味がなかったら飛ばしてしまえばよい。)そして、誰にとっても、何かしら得るところがあるに違いない。
僕にとっては、この本は、生徒がどうしたらやる気を出して力を発揮するかを教えてくれた点で、大変貴重であった。ああ、何と自分は子どものやる気をそぐような接し方をしてきたことか…
あ、それから僕は、表紙のモデルになっているのがさやかちゃん本人だと思って読んでいて、途中でそうではないと気付いたのだが、もう僕の頭の中のさやかちゃん像は表紙を見たときから出来上がっちゃっているので、今さら修正は不可能なのだ。まあ、ルックスはともかく、さやかちゃん自身の魅力がこの本の魅力につながっていることは間違いない。