♪あれは3年前、いや30年以上前でしょう。

 高校生の娘に付き合って、江古田にある日大藝術学部のオープンキャンパスに行ってきた。僕も「日藝」には以前から興味あったし。
 娘のお目当てのデザイン学科だけでなく、同じ棟の文芸学科のフロアを覗いたり、林芙美子展をやっている資料館を観たり、さらに音楽学科の学生の室内楽を聴いたり、盛りだくさんの一日だった。
 昼飯は学食のカツカレー。学食前には長い列ができていて、15分ほど待たされたが、納得の味。変なもの売ってないかと期待して入った購買部は、普通のコンビニと変わらず、がっかり。

 文芸学科のフロアには、ゼミの作品集のようなものがたくさん置いてあって、どうぞご自由にお持ちください、とは言うものの、もうすでにいろいろな資料で荷物が重くなっていたので、『えこ俳(第3号)』という薄い俳句誌だけもらって、帰りの電車の中で読んだ。「創刊の辞」によると、これは浅沼璞ゼミの機関誌ということで、浅沼璞氏といえば『中層連句宣言 : 引用のひかり』『「超」連句入門』という面白い本を書いている方ではないか。すると、

蒼天へ応援団長めく噴水
頬杖の杖外されし梅雨入りかな
耳鳴りもちあきなおみも冬隣

などの句を載せている曳尾庵璞なる人物も、浅沼氏なのであろう。他の句とは出来が違うし、そもそも今の大学生が「ちあきなおみ」なんて知ってるはずないからね。