サルガドのアフリカ

mf-fagott2009-12-10

東京都写真美術館で開催中の「セバスチャン・サルガド アフリカ」を観てきた。
壮絶なアフリカの現状を伝える写真が並ぶ。これが同じ地球で起こっている出来事なのだと思う。これが同じ人間に与えられた運命なのだと思う。しかし、僕たちは写真を見ることで現実を見たことになるだろうか。
レンズは光を屈折させると同時に、現実にある種の加工を加えるものでもあるだろう。サルガドが生で見た現実と、レンズを通して写し出され、プリントアウトされたものは全く同じではないはずだ。会場に並ぶ100枚ほどの写真はどれもある種の美を湛えていたと思う。それは、サルガドの審美眼を通り抜けたものだからだろう。そんなことは、写真である限り当然のことなのかもしれない。
会場にはずいぶんたくさんの人が訪れていた。彼らは何を思って写真をながめていただろう。


サルガド写真展「アフリカ」