山(の)本

山の本 第68号

山の本 第68号

同僚で山男のYさんが、「これ、余分に持ってるからあげる。僕の書いた記事が載ってるよ。」というので、遠慮なくいただいた。
「山の本」は創刊号と創刊2号を持っているけれど、それ以来ずっと買っていない。沢野ひとしのイラストを使った表紙デザインは創刊号とほとんど変わっていないので、やあ、久しぶりという気分だ。外見だけでなく中身もまったく変わっていない。創刊号の奥付を見ると、1992年5月発行とある。17年も同じスタイルを保っているというのは大したものだと思う。
Yさんによると、「山の本」に記事を寄せても稿料はなし。つまり、まったく採算はとれていないのだそうだ。編集者の熱意とそれに応える執筆者と読者の支えで続いているということだろう。そう思うとちょっと応援したくなる。山口耀久の『北八ツ彷徨』みたいな魅力的な文章が載っているなら買って読んでもいいと思うけれど、あれほどの名文はそう簡単に書けるものじゃないからなあ。
Yさんに、「『北八ツ彷徨』、すごくいいですよ〜 また北八ツに行きたくなっちゃいますよ〜」と言ったら、「ああ、あれ名著だって評判だよね。やっぱり読んでおくべきかな。」と、さすがに山の本のことはよく知っている。串田孫一の本なんかもたくさん読んでいるのかもしれないけれど、職場は忙しくてそんな話ばかりしているわけにはいかない。