2008年に読んだ、これが最後の本。
- 作者: 吉本隆明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12/20
- メディア: 文庫
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それにこの本は、中島みゆきや宇多田ヒカルといった歌手の「詞」も取り上げているところが面白い。井上陽水もぜひ取り上げて欲しかったけれど…
俳人では、高柳重信、夏石番矢、角川春樹、西東三鬼が登場。現代詩に近いところにいる人たちということか。「角川春樹さんの作品の特徴は、俳句の常道である客観と主観の交代する組み合わせによらず、主観だけ、あるいは客観だけでできているような句によく表れている。」というあたりは正直言って本当にそうなのか、ちゃんと作品を読んでみないと納得できないと思ったけれど、夏石番矢について書かれた章は、「そうか、夏石番矢はこう読むのか」と納得。その最後にはこんなことが書いてある。
夏石さんの作品に匹敵するためには、中途半端な前衛性では太刀打ちできないだろう。むしろ、もっと伝統的な人、例えば森澄雄さんのような俳人が拮抗できるのではないかと思う。
森澄雄が夏石番矢に拮抗できるというのは、前衛に対してあくまで伝統で対決する、ということなのか、それとも森澄雄の伝統性の中に伝統を突き抜けて前衛につながる新しさの芽が潜んでいるということなのか(多分、後者だろう)。吉本隆明には森澄雄鑑賞を是非書いてもらいたいと思うし、自分でも森澄雄をちゃんと読まなければ、と思う。
というわけで、読むべき本はどんどん増えていくわけですが、今年はここまで。
来年もよろしく!