ホンモノに触れる

mf-fagott2008-10-21

昨晩は初めての文楽鑑賞、今日は横浜美術館で開催中の「源氏物語1000年」を観て来ました。日本の古典芸能・古典文学というのは僕の苦手分野なんですけど、国語の教師としては避けてばかりはいられませんですからね。半ばはお勉強という気持ちで出掛けたのですが…


文楽、面白かったです。演目は、「二人三番叟」「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」「傾城恋飛脚 新口村の段」。語り手の持ち味がぞれぞれ違うところが聴き所の一つなんでしょうが、中でも最後に登場した豊竹嶋大夫の味わい深い語りが印象的でした。誘ってくれたTさん、Fさん、ありがとうございました。今回の企画がなかったら文楽とは一生無縁だったかも…


源氏物語1000年」は、レクチャー付きで値段も200円お得という特別鑑賞会に参加したのですが、せっかくのレクチャーは昼食後の睡魔に襲われてしまい、半分ほど聴き逃してしまいました。展示会場は平日だというのにすごい混雑、それもそのはず、観客のほとんどは平日も休日も関係なさそうなご婦人方。先日のフェルメール展よりも渋滞しているくらいでした。金曜の夜を狙った方が空いていたかも。500円の音声ガイドを聴きながらじっくり観たので、二時間以上も時間がかかってしまいましたが、展覧会というのはさらっと通り一遍目を通しただけでは結局何も見ないに等しいのではないかと思い、最近はこの音声ガイドを借りるようにしているのです。そしてカタログは買わない。だって、本物を見たあとではカタログの写真はどんなに印刷が良くてもやはり物足りないですから。絵は、実物をじっくり観るに限ります。
今回印象に残ったのは、石山寺にこもって『源氏物語』を執筆する紫式部を描いたいくつかの作品でした。後続の文学に影響を与えただけでなく、多くの画家達にも創造の糧を与え続けている紫式部の偉大さを思い知らされた展覧会でした。