動詞はどうした?

中国語を勉強しよう、と思うようになったきっかけは、まあいろいろあったのですが、とにかく僕の場合、何か新しいことを始めようとするときはまずその分野の入門書を探すところから始まります。ネットで調べたところ、『はじめての中国語「超」入門』(相原茂著)というのがよさそうだったので、読んでみました。
帯には「2時間で読めて…」とありますが、2時間は難しい。まだよくわからないピンインを見て発音をイメージしながら読んでいたら、ずいぶん時間がかかってしまいました。どうせ発音は実際の音を聴いてみなければわからないのだから、いちいちピンインは見ずに、日本語と中国語の違いに「なるほど」と納得しながらさっさと読み終えて、早いとこ音声教材つきの本に移るというのが正解だったかと、読み終わった今になって思っています。

一番興味深く読んだのは、「第6章 動詞はどうした?」。
英語などと比較して、主語をいちいち言わないのが日本語の特徴というふうに理解していましたが、中国語の文と比べると、日本語は実は動詞も省略しているのだなということがわかります。
たとえば日本語で「肉が好き」という文は、中国語では「肉を食べるのが好き」というように、いちいち「食べる=吃」という動詞を使うんですね。「映画が好き」だったら「映画を観る(=看)のが好き」。「財布を忘れた」「傘を忘れた」も、中国語ではいちいち「持ってくるのを忘れた」という言い方になります。
「サングラスの男」だったら「サングラスをかけている男」。ここで思い出したのですが、今、授業でやっている芥川の『羅生門』の最初の方に、「雨やみをする市女笠や揉烏帽子が…」という一節があります。これなんか、中国語に訳すときはずいぶん言葉を補わないといけないことになりますね。(英語に訳すときも同じかな…)