レモンもどき

『季別季語辞典』(宗田安正監修)を購入。

季別季語辞典

季別季語辞典

投句の締切日が近づいてくると、今までは季節ごとに分冊になった文庫本の歳時記を通勤鞄に入れて、電車の中や帰宅途中の喫茶店で開いていましたが、分冊だと不便を感じることが多いんですよね。
街路樹の「紅葉」が見頃を迎えるよりも早く「木枯らし」が吹き始めたり、厳しい「寒さ」の中で「ものの芽」がふくらみ始めていたり… 季節というのは常に過ぎ去った季節の名残を残し、また来るべき次の季節は必ずどこかにその兆しを見せ始めているものです。「枯木」や「枯れ草」を目の前にしながら、鞄の中には秋の歳時記しかない、というような状況は少なくありません。
あるいは、「檸檬」って季語だったかなあ、季語だとしたら、季節は秋かなあ、冬かなあ、などという時にも一冊本の歳時記が手元にあると便利です。


一冊本で、コンパクトな歳時記としては『ハンディ版 入門歳時記(俳句文学館 編集)』もなかなかよくできていると思うのですが、季語数が少ないのが物足りませんでした。『季別季語辞典』は、季語についての説明がない代わりに季語数が多く、例句もちゃんと載っていて、しかもサイズは文庫本以下。持ち歩くにはなかなか便利です。
これからは、『俳句界』の投句締切の近づいた月末だけでなく常にこの辞典を持ち歩こうと思います。そうすれば、締切日当日まで苦しんだあげく、深夜になってようやく投句はがきを出しに行く、なんてことはなくなるかも。
(もっとも、歳時記がなければ俳句が作れない、という状況から脱却したいという気持ちもなくはないのですが…)


■おまけ
我が家にこんな実のなる木があります。形も大きさもグレープフルーツだけど、味は檸檬。正式な名前はわかりません。

ちなみに、『季別季語辞典』では「檸檬」は秋の季語。その例句より、一句。

レモンかじれよ青空の落ちて来よ   夏井いつき