得した気分

mf-fagott2006-09-13

先日、勤務先の高校の文化祭があり、図書委員会主催の古本市でこんな本を買いました。
写真一番左は井上靖『滝へ降りる道』井上靖は『しろばんば』『あすなろ物語』などで、野球少年だった僕を文学の世界に引き込んだ作家の一人です。しかも、旺文社文庫! 旺文社文庫といえば、他の文庫とは一味違った品揃えと詳しい解説で魅力的な存在でした。(今さら復活はないんだろうなあ…)旺文社文庫というだけで、古本屋で見かけるとつい手が伸びてしまうのですが、それが結構高かったりして、伸びた手が引っ込んでしまうこともあるのです。でも今回は10円という嬉しい値段。
二番目は寺田寅彦随筆集第五巻』。僕の本棚には一巻から五巻のうち、この『五巻』だけがなぜか欠けていたのを10円で補充。
三番目は辻仁成『ミラクル』。この本については前に何回か書きました。今家に二冊ありますが、人にプレゼントするのには最適な本だと思うので、安く売っているのを見つけたらとにかく買っておく方針なのです。(人にあげる時は10円だったということは隠しておこう…)
次は星川淳『地球生活』。エコロジストの実践と主張を綴った本で、以前本屋で中身をちょっとのぞいて以来気になりつつも1200円を出し惜しみしていた本。「薬漬け農業は、本来各家庭で基本的に負うべき食物をつくるという責任を、国民の大多数が放棄し、ごく少数の農業者に押しつけるところから発生する。」「今年十二歳の息子は、二年半前にみずから脱学校宣言をした。」「いのちと共存できないものとして、核兵器原子力発電を含むあらゆる〈核〉の廃絶を訴えたい。」などのフレーズを見ただけで著者のライフスタイルがある程度想像できます。今回は10円ということで迷わず購入。
一番右は内田樹『先生はえらい』(これもまた10円とはえらい!)内田樹という人の存在を知って注目し始めたのは実はつい最近で、朝日新聞に『国家の品格』について批判的な文章を書いていたのを読んだのが最初でした。それから雑誌『考える人』の今年の春号、夏号に養老猛司との対談が載っていて、これも単行本化されるというのが待ち遠しいような内容でした。というわけで、まずはこの本から読み始めることになりそうです。

ところで本の右側に写っているのは、美術部の展示販売会場で、たくさん並んだ作品の中から迷いに迷った末に100円で買った湯のみです。なかなかいい色合いで、気に入ってしまいました。

たった150円でこんなに充実した買い物ができて、大満足です。