漢字

漢字の負の側面

言語学者が語る漢字文明論 (講談社学術文庫) 作者:田中 克彦 講談社 Amazon この本は、2011年に『漢字が日本語をほろぼす』という書名で、角川SSC新書の一冊として出された。それを講談社学術文庫に加えるに際して、「ちょっと過激」にひびく書名を改めたの…

「当用漢字表」がキラキラネームの隆盛をもたらしたのか?

キラキラネームの大研究 (新潮新書) 作者: 伊東ひとみ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/05/16 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る キラキラネームが目に付くようになってくるのは1990年代の中ほど。団塊ジュニア世代(1970年代生まれ)…

漢字検定2級の結果は…

娘の英検2級の合格通知が今日届いた。僕もちょうど同じころ、漢字検定2級の試験を受けたのだが、こちらの結果はまだ来ない。 漢検2級レベルになると、読むのは簡単だけれども、いざ書こうとすると、結構苦労する。普段あまり書くことがない漢字が多くなる…

同訓語のビミョーな使い分け

漢字からみた日本語の歴史 (ちくまプリマ―新書)作者: 今野真二出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブログ (7件) を見る 「ちくまプリマー新書」というのは、高校生くらいの年代の読者をねらった、親しみやすい教養書、…

サンに登る。

「山」という漢字を「サン」と読むのが音読みで、「やま」と読むのが訓読みであるように、「絵」という漢字は音が「カイ」、訓が「え」だと思っていた。 ところが、違うんですね。「絵」の読みの「カイ」も「エ」もどちらも音読み。「絵」の訓読みは、ない。…

印度人の雅優さんと、漢字の本の話

今から4年くらい前、インドからやってきた留学生(通称ガーユさん)は、僕の勤める学校で半年ほど勉強し、帰国。しばらくして、日本の自動車メーカーのインド支社に就職したと聞いていたが、最近めでたくご結婚。関わりのあった教員で、おめでとうのメッセ…

漢字は日本語を滅ぼすか?

漢字が日本語をほろぼす (角川SSC新書)作者: 田中 克彦出版社/メーカー: 角川マーケティング(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/05/10メディア: 新書 クリック: 631回この商品を含むブログ (15件) を見る新聞広告で見つけたその日のうちに本屋で購入…

韓国の漢字事情は?

韓国言語風景―揺らぐ文化・変わる社会 (岩波新書)作者: 渡辺吉鎔出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1996/03/21メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る「ことばの宇宙」を通して見た韓国の今…といっても、1996年発行の本書は、部…

ハネる? ハネない?

阿辻哲次の『漢字を楽しむ』は、漢字の世界の奥深さをあらためて教えてくれる、本当に楽しめる本ですが、ここに書かれていることのいくつかは、教室で漢字を教える者がぜひとも知っていなければならないことだと感じました。 漢字の書き取りテストの採点基準…

漢字を学ぼう

この4月から新しい学校に転勤になりました。 今度の学校にはひたすら漢字の勉強ばかりする科目があって、それを僕は週に三コマ(一コマは90分!)も受け持つことになりました。漢字の読みや書き取りの反復練習ばかりやっていては単調になってしまうので、…

「臭」は「自+犬」なのに

「国語」の時間の様々な学習活動の中で、漢字学習の占める割合というのはどのくらいになるでしょうか。おそらく少なく見積もっても1割、場合によっては3〜5割くらいだったりするかもしれません。最近では中学生が漢字検定試験の級を取得していると高校入…

漢字は見かけで決まらない

『日本の漢字』(笹原宏之著、岩波新書)は、授業で使えるネタの宝庫です。日本の漢字 (岩波新書)作者: 笹原宏之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/01/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 48回この商品を含むブログ (38件) を見る かつて「不幸の手紙…

漢字の効用

授業で沢木耕太郎の作品(「『情報』の洪水の中で」という随想)を読むので、この際彼の代表作『深夜特急』も読んでみようと古本屋で探したら、6冊組945円できれいにビニールに包んであるのが見つかりました。初めて読む作家なので本当はとりあえず1冊と…