建築

絵画と建築

(当然と言えばそうなのだが)ル・コルビュジェの展覧会が行われている今回ほど、建物としての国立西洋美術館の魅力に気づかされることはこれまでなかった。西洋美術館が目的地でないにしても、その前を通って都立美術館に行ったり、奏楽堂に行ったり、つま…

北欧を訪ねた気分で、湘南の夕日を眺める

フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトの展覧会を観に、葉山まで行って来ました。建物の設計だけでなく、家具、照明器具、ガラス器などのデザインを手がけたアアルトの魅力がたっぷりと詰まっていて、見応えたっぷりです。 アアルトの椅子に座って夕日を眺…

地方を元気にする

「建築」で日本を変える (集英社新書)作者: 伊東豊雄出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/09/16メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る 伊東豊雄のことを知ったのは5年前の夏。レンタカーに妻と娘を乗せてしまなみ海道を走り、大三島で降りたは…

挫折を力に

建築家、走る (新潮文庫)作者: 隈研吾出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/08/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 日本を代表する現役の建築家の著作を続けて読んだ。一冊は、隈研吾の『建築家、走る』。もう一冊は、伊東豊雄の『「建築」…

売れてたまるか

読むたびに、僕を楽しませてくれる建築家石山修武の文章。この本もまた、期待を裏切らない。 自らの商品を語る石山修武の文章は実に面白い。石山修武だったら、たとえどんなにつまらない商品でも、屁理屈を並べてそれがいかに価値あるものかを語って見せるこ…

鎌倉近代美術館

10月11日、連休中はやっているだろうと疑いもせず、よく調べもしないで行ってみたら展示替えのためにまさかの休館中だった県立近代美術館。今年度一杯で閉館してしまうので、ぜひとも一度は行っておきたいと思っていたのだが、今日、美術の研究授業の一…

一番古い記憶

天下無双の建築学入門 (ちくま新書)作者: 藤森照信出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2001/09/01メディア: 新書購入: 11人 クリック: 122回この商品を含むブログ (30件) を見る 藤森照信の『天下無双の建築学入門』の次の部分が興味をひいた。そして、自分の…

お寺のことがわかる人になりたい

最近、古い建物の残る町を歩いたり、神社やお寺を観たりするのが楽しい。 そんな年齢になってきたんですね。 それでこんな本を購入。お寺の基本出版社/メーカー: エイ出版社発売日: 2012/09/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る少…

大磯界隈歴史・文学散歩

大磯駅から徒歩10分くらいで、島崎藤村旧宅に着く。 萩の枝で作られた下地窓。 大正硝子の窓に、庭の新緑が写る。 大磯で最期を迎えた藤村、ここに眠る(地福寺) 鴫立庵。ここは日本三大俳諧道場の一つ。(他の二つは、京都の落柿舎と滋賀の無名庵)今で…

読書用椅子

鎌倉で知人の出演する演奏会があった。せっかく鎌倉まで行くのだから、どこかもう一か所寄って来ようと思って調べたら、こういう展覧会があったので観て来た。 神奈川県立近代美術館(鎌倉)開館60周年 シャルロット・ペリアンと日本 2011年10月22日〜2012…

職業と家庭と

TUTAYAまで、現代文の授業で見せる『鉄道員』のDVDを借りに行ったついでに『マイ・アーキスト ルイス・カーンを探して』というのも借りて来た。僕はルイス・カーンという名前すら知らなかったのだけれど、いったいどんな作品を残した人なのか、興味…

建ててしまった人も読みたい住宅本

石山修武というのはやっぱりなかなかの文章家だと思うのである。この『笑う住宅』も、読んでいて、なぜか心地よいのだ。(というようなことは、以前にもこのブログに書いた。)もちろん、僕はただ文章を味わっているだけではなく、その内容を楽しんでいるの…

木の楽器、木の家

オケの練習に向かう電車の中で、バイオリンの女の子(筆者注:美人)と一緒になる。 「ホームで何の本を読んでいたんですかあ?」 「あ、これね。こういう本。」建築史的モンダイ (ちくま新書)作者: 藤森照信出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/09/01メ…

くぎ、ん?

「蠟梅」とは、読めても書くことはできない漢字ですね。 今日は「家づくりの会」の建築家の方々との2回目の句会がありました。そこに「蠟梅(蝋梅)」を詠んだ句が出ていたので、僕は先月、鎌倉の明月院に行った時のことを思い出しました。これはその時の写…

釘で一句

今日は午前中が久々のオケの練習。 午後は我が家の設計でお世話になったu-ochさんとその仲間の建築家の方たちの句会に参加させてもらいました。進行役を務めた僕としては、皆さんがとても楽しんでくれて、また二ヵ月後もやろうという話になったことがとても…

創造力の源

ルイス・バラガン邸を訪ねてみた。 そこにはメキシコと日本という風土の違いを超えて、この上なく居心地のいい空間があった。居心地のよさとは懐かしさのことだろうか、それとも憧れのことだろうか。 どっしりとしたソファに身を沈め、庭を眺め、本を読み、…

夢を育てる

世田谷美術館で開催中の「建築がみる夢 石山修武と12の物語」を観てきました。(予定ではもう一つ、建築関係の展覧会を観てくる予定でしたが、やはり一度に二つは無理ですね。) 石山修武という人は、自分の夢をどんどん大きく育て、その夢の実現に向けて…

海と向き合う美術館

三浦半島の先端、観音崎公園の一角に開館して間もない「横須賀美術館」へ行って来ました。 今は常設展だけですが、なかなか見ごたえのある展示内容でした。 半分地面に埋まった建物(設計=山本理顕)の広々とした内部は壁も天井も白で統一されて明るく、高…

レーモンド展

ようやく秋らしくなった鎌倉へ、建築家アントニン&ノエミ・レーモンドの展覧会を観に行きました。 先日観たばかりのコルビュジュの大規模な展覧会と比べてしまうと、ずっとこじんまりした展覧会でしたが、これはこれでなかなか興味深い企画でした。 なにし…

街の品格のために

前回は、コルビュジェ関連の本が立派すぎて買えなかったことを書きましたが、実はそのとき、たまたまこんな本を見つけたのです。 『建築は詩―建築家・吉村順三のことば一〇〇』という小さな本です。これは2年前「吉村順三建築展」が開催された際に吉村語録…

「ル・コルビュジェ展」

六本木の森美術館で「ル・コルビュジェ展」を観て来ました。 最終日だから混むかなあ、と思っていたのですが、やっぱり混んでいました。といっても、絵の前で立ち止まる人は少なくて、人だかりがしているのはもっぱら建築関係の展示。建築科の学生かな、と思…

猫の哲学者

大人のための絵本、といった趣の本。猫の建築家作者: 森博嗣,佐久間真人,越智めぐみ出版社/メーカー: 光文社発売日: 2002/10/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ (34件) を見る じっとしていても汗の噴き出す土曜の午後、まず…

樹木になる家

今日は最近読んだ『新選高橋睦郎詩集』(新選現代詩文庫)から、印象に残った部分を抜き出してみます。 家といふものは、完全に地上的だ。柱の四肢によって大地に密接に結びついてゐる。大地の血管は土台石から柱の中に流れこみ、棟木や梁をつうじて、壁や屋…